大学を卒業以来、大学附属病院や複数の地域に密着した中核起点病院で勤務し、多くの方の診察・検査・手術を通して学ばせて頂きました。この経験を生かして、微力ながら地域の皆様の気軽に相談できる専門的な泌尿器科診療の窓口になりたいと思い、令和元年9月に愛知県江南市に泌尿器科クリニックを開院することにしました。
泌尿器科では「前立腺」や「PSA」などといった日常では聞きなれない単語が出てきます。その意味を分かりやすい言葉でお伝えします。もし検査や治療について迷われているときは、もし私がご本人のその立場だったらどうするかという視点でアドバイスをお伝えしています。迷われている方のお気持ちに寄り添い、最終的にはご本人の中に湧いてくる答えを選んで頂けるように配慮しています。
エコーや膀胱鏡、前立腺生検といった医療行為を、常に安定した高水準の技術で提供できるように努めています。今までの膀胱鏡で痛い思いをした方から、「今回の膀胱鏡は痛くなかった」とお言葉をいただくこともありました。私自身、産後に腹圧性尿失禁となり、骨盤底筋群体操に励みました。この体験も診療に生かしていきたいと思ってます。
どうぞよろしくお願いいたします。
泌尿器科の診療内容の中で、私は特に排尿について興味を持ってきました。色々な原因で尿が出にくくなったり、出やすくなったりし、その原因究明が奥深いと感じています。
2017年に一宮市の市民講座で「認知症の排尿・排便の基礎知識」という講演を行いました。認知症の尿や便の悩みについて発表する機会を頂きました。大変貴重な機会に多くの学びを得られたことを感謝しています。
2017年から一宮市立市民病院の院内の「排尿ケアラウンド」チームに参加し、排尿ケアの専門家らを交えて入院患者さんの排尿の悩みに対応することで、幅広く考察し学ぶ機会を頂きました。
これらの経験を役立てて、生活習慣、運動機能(ADL)、膀胱機能、認知機能など多要因を考慮してトイレの悩みのアドバイスします。気持ちよくトイレをすることをサポートし、日常生活の質を上げていくことで皆様のお役に立てれば幸いです。
これまで医師として主に西洋医学を学んできました。西洋医学の手術や薬剤での治療は、身体の急性期の緊急の症状に対してはとても有効です。けれども、時としてその病気が発症した根本的な解決できていないために、時間が経ったらまた同じ病気に戻っている、と感じることがありました。
例えば膀胱炎では、西洋薬の抗生剤で細菌は殺せますが、膀胱粘膜を再生させる効果のある薬や、膀胱炎の再発を予防する薬はありません。もし自己免疫力が弱ければ、一度膀胱炎で抗生剤を飲んで菌を殺しても、またすぐに次の膀胱炎にかかってしまいます。
漢方薬では、自然治癒力を高めて膀胱粘膜を早く再生させ、より早く膀胱炎が治るように体を助けることができます。また、自己免疫力を強くすることで膀胱炎にかかりにくい体質を作ることができます。膀胱炎にかからないような生活習慣や体質を作ることで毎回の炎症の悩みから解放されます。
漢方診療は「未病」といって、自分では症状があるが、病院で相談して検査を受けても検査異常がでてこず、緊急性はなく診断名もつかず治療ができないようなちょっとした体調不良といった領域にも大変効果を発揮します。身体のバランスが崩れかけたときに初期のサインとして身体の不調が出現します。ちょっとした不調に早めに対応して解決することで、ゆくゆく病気としてしっかり発症することを防ぐことができます。その際に、漢方薬で体のバランスを整えることや、自然治癒力を高めることが有効です。
東洋医学(漢方診療)の視点から、生活習慣、ものの考え方、ライフスタイルなどを見つめなおし、どうしたら今より快適に過ごすことができるのか、一緒に考えていきたいと思っています。また歴代の中国の皇帝は不老不死を求めてましたので、エイジングに特化した薬も沢山あります。健康的に長生きするうえで、よいサポートになると思います。
個人的なことですが、私の80代の祖母がインフルエンザに罹り、解熱してからも数か月間、ずっと体力・気力ともに低下して寝汗や倦怠感が強く家にこもっていてたことがあります。ふと思い立ってエネルギーと栄養をを補充するタイプの漢方薬を飲んでもらったら、徐々に体調がよくなり、すっかり調子が良かったころに戻りました。以来、私自身が漢方薬のファンになりました。
今では世界が代替医療・補完医療に注目しています。漢方は東アジア伝統医学として、多くの国で実践されています。日本は西洋医学と東洋医学を同時に施行することができる医師免許の制度となっており、統合医療を行うことのできる国として注目されています。